2021.5.3

外壁をリシン仕上げにする費用相場やポイント、デメリットを解説

 

「費用を抑えて外壁塗装できるリシン仕上げが気になっている」

「しかしリシン仕上げにはどのようなメリット・デメリットがあるのか知りたい」

 

外壁の塗料をリシン仕上げにしようかお悩みの方には、このようにお考えの方も多いでしょう。

リシン仕上げとは、モルタル外壁を塗装する際に使われる手法です。

骨材などを混ぜたリシン塗料を吹き付けるため、仕上がりは凸凹とした外壁になります。

 

1990年前までは、多くの新築住宅でこのモルタル外壁にリシン仕上げの施工が

多く取り入れられていました。

そのため、現在外壁の塗り替えを考えておられる方もいらっしゃることでしょう。

 

この記事ではリシン仕上げについて以下のような情報を解説します。

 

  • リシン仕上げのメリットとデメリット
  • リシンにアスベストの危険性はあるのか
  • リシン仕上げのポイント
  • リシンのメンテナンス方法

 

記事を読んでいただければ、リシン仕上げについての知識を増やすことができ、

外壁塗装の失敗を避けることができます。

 

外壁に使うリシンの特徴やメリット・デメリット

 

リシンで仕上げた外壁は、触れるとザラッとした感触があります。

また、耐用年数は7~8年です。

 

リシン仕上げでは艶が出ないため、落ち着いた風合いの外壁に仕上げたいという方に

向いている工法です。

以下では、リシン仕上げのメリットとデメリットをそれぞれ見ていきましょう。

 

リシン仕上げのメリット

リシン仕上げのメリットには、以下の3点があります。

 

  • デザイン性が高い
  • 価格が安い
  • 透湿性と通気性が高い

 

リシン仕上げのメリットについて、詳しく解説しましょう。

 

デザイン性が高い

リシンは含まれている粒子の大きさがそれぞれ異なり、

また吹き付け方法によってデザインが変化していきます。

 

また「リシン掻き落とし」という塗装表面を金具で整える手法もあります。

細かな凸凹状態だった外壁を粗めにして落ち着いた雰囲気に仕上げたり、

様々なデザインを楽しんだりできるのも嬉しいポイントです。

 

価格が安い

モルタル外壁の仕上げには様々な塗料が使われますが、その中でもリシンは価格が最も安いです。

そのため、塗装費用を安く抑えられます。

 

透湿性と通気性が高い

リシンは湿気を溜め込みにくいという性質があるため、

木材で建てることの多い日本住宅の救世主のような存在です。

 

また通気性も高いため、リシン仕上げすることで外壁だけでなく

建物内部の劣化スピードも緩めることができます。

 

リシン仕上げのデメリット

リシン仕上げのデメリットには、以下の3点があります。

 

  • 汚れやすい
  • 剥がれやすい
  • 割れやすい

 

どうしてこのようなデメリットが起きるのか、それぞれ原因を解説します。

 

汚れやすい

リシン仕上げは凸凹な模様になるため、隙間にホコリや塵などが入り込みやすいです。

そのため、フラットな外壁に比べて汚れやすくなります。

 

剥がれやすい

吹き付けたリシンの中に気泡ができていたり、カビが生えたりすることで剥がれやすくなります。

 

割れやすい

モルタル外壁の収縮にリシンが耐えきれず、ひび割れしてしまうことがあります。

 

リシン外壁にはアスベストが含まれているの?

現在、外壁塗装に使用されているリシンにはアスベストは含まれていません。

 

アスベストは長期間吸い込むと肺がんなどの人体的悪影響があるため、

日本では2006年にアスベストの吹き付けは禁止されました。

そのため、近年の新築住宅やビルのリシン外壁にアスベストが含まれているということは

まずありません。

 

また、仕上げ材として使用されていた塗料にはアスベストの含有量は少なく発がん性も

低いとされています。

 

しかし、2006年以前に建てられた建物の解体や塗装塗り替えを行う際は、

アスベストの飛散について専門家に相談してみましょう。

 

外壁をリシン仕上げにする際の費用相場

外壁をリシン仕上げする際、1平方メートルあたりの施工単価の相場は1,000円です。

 

しかし、ほかに足場設置などの費用で30〜50万円ほどかかります。

そのため、30坪の住宅の外壁をリシン仕上げする際の費用相場は、40~80万円となります。

 

外壁をリシン仕上げにする場合の工法

 

外壁をリシン仕上げする場合の工法は、「吹き付け」して「補修」という流れになります。

それぞれの工法について詳しく解説していきましょう。

 

吹き付け

リシン仕上げとは、モルタル外壁に専用の機械「リシンガン」で

リシン塗料を吹き付けていく工法です。

 

まず、リシンを吹き付ける前に下地が塗料を吸収することを予防する「シーラー」という

下塗り材を塗ります。

その後リシンガンを使って外壁に塗料を吹き付けていきます。

 

補修

塗料を吹き付けたら、吹きムラがないか確認します。

その後、依頼主の希望があれば「リシン掻き落とし」をして外壁を仕上げます。

 

外壁にリシン塗装を行う際の施工工程と費用単価

費用

外壁にリシン塗装を行う際は、以下の流れになります。
1.高圧洗浄
2.下地補修
3.養生
4.下塗り
5.吹き付け
6.施工完了
それぞれの施工工程と費用単価をくわしく説明していきます。

1.高圧洗浄

外壁にあるコケやカビなどの汚れを高圧洗浄で徹底的に落としていきます。
下地をきれいな状態にすることで、下塗り材の密着度が高まり、塗料の耐久性を延ばせられます。
高圧洗浄にかかる費用は、1平方メートルにつき100~300円です。

2.下地補修

外壁にひび割れや欠損箇所などを見つけた場合には、症状に適した方法で下地補修を行い、下地をフラットな状態にしていきます。
隙間を埋めるためのシーリング材をひび割れに充填したり、剥がれかけている箇所を除去したりしていきます。
主な補修方法は、シール工法やUカット工法、欠損補修などです。
細いひび割れに利用されるシール工法は、1平方メートルにつき約320円かかります。
構造クラックと呼ばれる太いひび割れに利用されるUカット工法は、1平方メートルにつき1,200~2,500円がかかります。
欠損補修は1箇所につき500~5,000円が相場です。

3.養生

養生とは、塗料が飛ばないようにするために塗装しない箇所にビニールでカバーをしていくことです。
塗装の仕上がりを美しく見せるためにも大切な工程となります。
養生にかかる費用は、1平方メートルにつき、およそ300円です。

4.下塗り

養生の次は、シーラーと呼ばれる下塗り材を塗っていきます。
塗料を吸収しやすいモルタル外壁は、下塗り材を念入りに塗っていく必要があります。
シーラーは、塗料の吸い込みを抑えてくれる効果があるため、使用することで、上塗り材が塗りやすくなるでしょう。
シーラーの費用単価は、1平方メートルにつき、およそ600円となります。

5.吹き付け

続いて、リシンガンと呼ばれる機械を使って外壁に勢いよくリシン塗料を吹き付けていきます。
一般的に吹き付け作業は2回行います。
リシン吹き付けの施工単価は、1平方メートルでおよそ1,000円です。
ほかにも弾力性があり、ひび割れにも追随する弾性リシンという仕上げ材もあります。
施工単価はリシンよりも高額で1平方メートルにつきおよそ1,500円となります。

6.養生カバーを剥がして、施工完了

養生カバーは塗料が完全に乾ききる前に外すと、剥がれやすくなります。
きれいにできているか仕上がりを確認して、施工完了となります。

リシン外壁の吹き付けの剥がし方(掻き落とし)

リシンを外壁に塗装する方法には、「吹き付け」と「掻き落とし」があります。
掻き落としとは、リシン材をコテで塗り付けた後に左官職人が、剣山やブラシなどを使って引っ搔いて仕上げていく方法です。
落ち着いた質感と重厚な深みのある見た目が特徴的で、高級住宅にも取り入れられています。

搔き落としの施工工程は以下の通りです。
1.下地の清掃を行う
2.下塗り材のシーラーを塗る
3.リシン材をコテで塗り付ける
4.リシン材が乾燥したら、剣山やワイヤーブラシを使用して掻き落とす

掻き落としでは、リシン材を分厚く塗っているため、吹き付けよりも厚く丈夫な塗膜が作れます。
ただし、左官職人の技術力によって出来栄えが大きく左右されてしまうので、職人選びがカギとなるでしょう。
一般的な費用は、1平方メートルにつき約3,650円と吹き付けよりも高くなります。

 

リシン外壁のメンテナンス方法

 

リシン外壁のメンテナンス方法は、「洗浄」「補修」「塗り替え」という流れになります。

リシン仕上げの耐用年数は7~8年ほどなので、外壁の状態を見ながらメンテナンスを

行っていきましょう。

 

ここでは、メンテナンス方法を詳しく解説していきます。

 

洗浄

まず外壁の汚れを取るために高圧洗浄をします。

 

高圧洗浄することで、外壁についたホコリやカビをきれいに洗い落とすことができます。

 

補修

ひび割れがある部分には、下塗り材などで補修します。

 

リシン仕上げはひび割れが起こりやすいので、定期的に補修が必要となります。

 

塗り替え

下地の補修が終われば、リシン塗料を吹き付けて塗り替えていきます。

 

 リシン外壁に塗装を行う際の流れ

リシン外壁の塗装を行う際は、以下の流れになります。


1.足場を設置する
作業員が安全に作業を進められるように建物の周りに足場を設置します。

2.高圧洗浄を行う
外壁の汚れを念入りに高圧洗浄で取り除いていきます。

3.下地補修を行う
外壁にあるひび割れや剥がれている箇所などをきれいに補修していきます。

4.養生を行う
窓枠やドア、エアコンの室外機などの上にビニールでカバーをして、塗料が飛ばないようにしていきます。

5.塗装を行う
下塗り、中塗り、上塗りの順で塗装を行っていきます。
リシン外壁の表面は凸凹しているため、フラットな外壁に比べると非常に塗料が塗りづらくなります。
そのため、高圧洗浄や下地補修で下準備を整えて、塗料を塗りやすいようにする必要があるのです。
手間のかかる施工工程でも真剣に取り組んでくれる優良業者を見つけることが大切です。

 

リシン外壁に塗装を行う際のチェックポイント

リシン外壁に塗装を行う際には、特に塗料の選定に注意をしなければいけません。
以下の3つのポイントをチェックしてみましょう。
・下塗り材を慎重に選ぶ
・弾性塗料を使用する
・艶消し塗料を使用する
それぞれのポイントをくわしく説明していきます。

下塗り材を慎重に選ぶ

リシン外壁は、ひび割れが起きやすく下地が塗料を吸い込みやすいため、下塗り材を慎重に選ぶ必要があります。
下塗り材の選定を間違えると、色むらが起きたり、塗膜が剥がれやすくなったりしてしまうためです。
リシン外壁の塗装には、シーラーや微弾性フィラーを使用するのが一般的です。
シーラーは、塗料の吸い込みを抑えて、上塗り材の密着性を高める効果があります。
また、下地のひび割れを埋めて表面をフラットにしたい場合には、微弾性フィラーを使う場合もあります。
下地の状態に合わせて、下塗り材を選びましょう。

弾性塗料を使用する

リシン外壁には、ひび割れが起きやすいデメリットがあるため、弾性塗料を使用した塗装がおすすめです。
弾性塗料は、ゴムのように伸びる塗料をいいます。
ひび割れが起きたとしても、塗膜が伸びて追随するため、ひびが表面化することを防げるのです。
つまり、弾性塗料を使用すれば、雨の浸入を防ぐ効果が期待できます。
また、塗り方によっては塗膜を厚くできるため、耐久性も高くなるでしょう。

艶消し塗料を使用する

リシン外壁の塗り替えには、艶消し塗料を使うことをおすすめします。
一般的に塗り替えを行うと、塗りたて独特のピカピカ感が残ってしまいます。
リシン仕上げのマットな質感を好む方には、塗装をしても残念な気持ちになってしまうでしょう。
しかし、艶消し塗料を使用すれば、リシン外壁が持つ風合いも取り戻せるのです。
塗り替えを行う際に、艶消し塗料も検討してみましょう。

リシン外壁に起こりやすい劣化症状と補修方法

塗膜の劣化

リシン塗装の外壁に起こりやすい劣化症状は以下の4つです。
・チョーキング
・クラック(ひび割れ)
・塗装の浮きや剥がれ
・コケやカビの繁殖
以下で、劣化症状とそれぞれの補修方法について説明していきます。

チョーキング現象の場合

チョーキング現象とは、外壁に触った際に白い粉が手についてしまう劣化症状をいいます。
塗装の膜が剥がれていることが原因となり、防水性が低下している証拠です。
リシン塗装は表面が凸凹しているため、一般的な塗装と比べてチョーキング現象が分かりづらい特徴があります。
それでも手に白い粉がついてしまう場合には、早めの塗装をおすすめします。

クラック(ひび割れ)の場合

外壁にひび割れが入っている場合は、まず太さを確認するようにしましょう。
0.3mm未満であれば、ヘアクラックと呼ばれる細いひび割れとなります。
早急に対処する必要はありません。
しかし、0.3mm以上の構造クラックの場合は、放置しておくと雨水が浸入してしまう恐れがあるので、要注意です。
そのため、ひび割れをU字にカットして、シーリング材を充填するUカット工法が用いられます。
ひび割れは、外壁の劣化を表しているため、同時に塗り替えをおすすめします。

塗装の浮きや剥がれの場合

下塗り材の量が足りずに、塗料の密着度が低くなってしまった場合には、塗装が浮いたり剥がれたりしてくることがあります。
外壁に浮きや剥がれを見つけた場合には、まず塗膜をヘラで除去する必要があるのです。
そして、除去した場所の段差を取り除くために、左官で補修し、下塗り材をつけて、塗装を行います。
塗膜が剥がれていると、雨水が浸入して徐々に広がってしまうので、早期に補修が必要です。

カビやコケの場合

リシン塗装の表面は凸凹しているため、雨水や汚れがたまりやすくて、カビやコケが繁殖しやすくなります。
気づくと外壁が緑色に染まっていることもあるでしょう。
また、日当たりが悪かったり、周囲に木が多い場所だったりすると、同様にカビやコケが発生しやすくなります。
高圧洗浄やバイオ洗浄を使用すると、汚れをきれいに落とせるでしょう。

 

外壁をリシン仕上げにする場合の3つのポイント

 

外壁をリシン仕上げにする際のポイントは以下の3つになります。

 

  • 業者は見積もりで選ぶ
  • 屋根塗装も一緒にする
  • 「弾性リシン」を使う

 

それぞれのポイントについて解説していきましょう。

 

業者は相見積もりで選ぶ

リシン仕上げを依頼する場合、1社だけではなく「相見積もり」で確認するようにしましょう。

外壁塗装には、塗装費だけでなく足場設置費用や下塗り材費、また洗浄費など様々な費用が

必要となります。

 

業者によってその費用は異なるので、まずは見積もりを出してもらい、

総施工費用で選ぶようにしましょう。

 

また、見積書をもらった時には、追加料金の有無を確認しましょう。

施工中に塗量不足などによって追加料金がかかる場合があるので、

のちのち金銭トラブルにならないよう施工前に確認が必要です。

 

屋根塗装も一緒にする

外壁のリシン仕上げを業者に依頼する際、屋根塗装も一緒に依頼することで

長期的には費用を安く抑えられます

理由は、足場設置費用やトータル的な施工期間の短縮、また業者によっては値引きがあるからです。

 

また外壁と屋根を一緒に塗装することで、全体的な外観も美しくなります。

リシン仕上げをする際には、業者に屋根塗装を一緒にするといくらになるか見積もりを

出してもらいましょう。

 

ひび割れ対策に「弾性リシン」を使う

リシン仕上げは一般的にひび割れしやすいと言われていますが、

弾性のあるリシン塗料を使うことで防げます。

 

リシン仕上げは塗料がしっかりと固まってしまうので、

モルタル外壁の収縮に耐えられずどうしてもひび割れしやすいです。

 

しかし、アクリル樹脂に伸縮性を持たせた「弾性リシン」であれば、

モルタル外壁の収縮にも耐えやすくなります。

 

まとめ:外壁をリシン仕上げにするなら耐久性に気をつけよう

 

施工費用も安く、通気性もあるリシン仕上げについて解説してきました。

リシン仕上げは安価で塗装できる分、耐久性が7~8年という短さなので、

定期的なメンテナンスが必要です。

 

特に外壁にひび割れを発見したら、早めに補修するようにしましょう。

ひび割れた部分から内部に水が入り、建物全体を腐敗させてしまう恐れがあります。

このように、リシン仕上げは耐久性に気をつけながら上手に付き合っていくようにしてください。

 

リシンの他に吹き付けタイルという仕上げ方法もあります。

詳しくは以下をご覧ください。

吹き付けタイル仕上げの特徴と費用相場、他の工法との比較情報を解説!

  • 【宮崎本社】
    〒885-0005 宮崎県都城市神之山町1990-1
    [TEL]0986-45-9311 [FAX]0986-45-9317
  • 【鹿児島本社】
    〒892-0841 鹿児島県鹿児島市照国町11-20 4F
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    [TEL]0985-34-9831 [FAX]0985-34-9832
  • 【日置営業所】
    〒899-2504 鹿児島県日置市伊集院町郡9-1
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  • 【鹿屋出張所】
    〒893-0037 鹿児島県鹿屋市田崎町1169-1
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