40坪の自宅を外壁塗装した場合の費用相場を工程別で教えます!
「うちの外壁もヒビが目立ってきたな…」
「だいぶ塗装がはがれてきたし塗り替え時かな?」
そのようにお考えのあなた。
同時にこのようなこともお考えではないですか?
「どんな作業で、どれくらい金額がかかるのかまったくわからない」
「外壁を塗るだけなら自分でやったほうが安いんじゃないの?」
リフォームの金額は明瞭ではない場合が多く「塗装をするだけならDIYでもいいのでは」と
思ってしまいがちです。
しかし、「外壁の塗装をするだけ」でも塗装するまでにさまざまな作業があります。
外壁塗装では、塗装業者だけではなく左官や防水業者が関わることもあるのです。
この記事では、40坪の一軒家をモデルに外壁塗装工事をする際の作業内容と費用の相場を紹介します。
※その他の建坪の費用を知りたい方は「外壁塗装の費用~建坪別の費用の目安 」をご覧ください。
具体的には以下の流れで説明します。
- 外壁塗装でおこなう塗装以外の作業
- 各作業の必要性と費用相場
- 塗装工事って具体的に何をするのか
- 塗料の種類と特徴
- 少しでも安く工事をする方法
まずは、気になる「費用」から説明していきましょう。
40坪の住宅を外壁塗装する際の費用相場
40坪の一軒家で外壁塗装工事をする際の総額は、80~150万円程度です。
屋根を塗装する場合はさらに20~30万円が加算されます。
料金の違いには以下が関係しています。
- 塗料の種類
- 住宅の構造
- 外壁の材質
- 下請け業者の有無
- 外壁の劣化状況
料金が変動する要素については、のちほど「外壁塗装の費用が変動する4つの要素」の
見出しで説明します。
外壁塗装で費用がかかる見積もり項目には以下があります。
- 足場仮設
- 高圧洗浄
- 養生
- 下地調整
- 塗装(下塗り)
- 塗装(中塗り・上塗り)
- 塗装(付帯部)
- シーリング
- 諸経費
外壁塗装の見積もり単価は「1平方メートル(平米)」、または「1メートル」
あたりの価格で算出されます。
1坪は3.3平方メートルで、40坪の一軒家だと132平方メートルとなります。
この平方メートル数に1.2倍の数字をかけると外壁全体の面積がおおよそ算出できます。
「40坪の家の外壁面積」= 3.3×40×1.2=158平方メートル
この数字で計算をしていきましょう。
1.仮設足場
「仮設足場」とは、工事をする際に家のまわりに建てる鉄パイプや枠組みのことです。
足場は外壁塗装をする際に必要不可欠な存在です。
足場の単価は1平方メートルあたり700~800円くらいです。
この金額に、まわりのシート養生の単価200円を加えた900~1,100円が相場となります。
1平方メートル単価 | 900~1,100円 |
40坪の足場費用 | 142,200~173,800円 |
足場がないと、ベランダから身を乗り出して危険な作業をしなくてはいけなかったり、
脚立で届かない場所が塗装できなくなったりします。
2.高圧洗浄
勢いの強い水で外壁を洗い流す作業です。
高圧洗浄は100~300円/平方メートルが相場です。
1平方メートル単価 | 100~300円 |
40坪の洗浄費用 | 15,800~47,400円 |
外壁には、ゴミやホコリのほか、コケ、カビが付着している場合があります。
それらを落としておかないと、外壁と塗装の間に異物の層ができてしまい、
塗装がはがれる原因となります。
3.養生
養生(ようじょう)とは大きく分けて以下の2つがあります。
- 足場用
- 作業用
「足場用の養生」とは足場まわりに張るメッシュ状のシートのことで、塗料を近隣住宅に
飛び散らせないために必要です。
「作業用の養生」とは、作業をする際に汚れてはいけない場所(床、窓ガラスなど)を
テープやビニールで保護する作業です。
塗る場所以外を保護するだけではなく、仕上がりの線をきれいに出すためにもおこないます。
養生をしないと、窓ガラス付近の塗装の仕上がりが曲がって見栄えが悪くなります。
窓枠やガラスに塗装がつくこともあるでしょう。
費用相場は1平方メートルあたり100〜500円程度です。足場費用や下地調整などに
含まれていることもあります。
4.下地調整
外壁のヒビや欠け、塗装がはがれて凹んでいる場所を補修する作業です。
外壁のヒビや欠けから水が入ると、柱の木や仕切り壁が腐るなど家全体の劣化につながります。
劣化が進んでいる場所は家の重心の問題で負担がかかっている場所でもありますので、
補修をすることで家を丈夫に保ちます。
下地補修は、ひび割れの幅の広さ、欠損など劣化状況に応じて費用が変わります。
欠損なら平方メートル、ひび割れならメートルで計算します。
それぞれの施工方法による単価は下記が相場です。
補修方法 | 1平方メートルの単価 |
刷り込み
(クラック幅0.05~2.5ミリ未満) |
1,500~2,300円 |
Uカット
(クラック幅2.5ミリ〜15ミリ未満) |
1,200~2,500円 |
欠損補修(15ミリ以上) | 1箇所につき500~5,000円 |
※「クラック」とはひび割れのことです。
40坪(158平方メートル)の家での平均的な下地補修代は30,000~40,000円と
考えておけばよいでしょう。
5.下塗り
塗装作業は以下の3工程にわかれます。
- 下塗り
- 中塗り
- 上塗り
厚みを持った塗膜(とまく/塗装の膜のこと)を上記の3工程でつくり、家の劣化を防ぎます。
下塗り塗料は、家の素材や既存の塗膜に中塗り塗料を付着させる接着剤の役割を持っています。
下地強化剤ともいわれ、中塗り、上塗りとは素材が異なるのです。
下塗りの単価は下記となります。
1平方メートル単価) | 600~900円 |
40坪の下塗り費用 | 94,800~142,200円 |
下塗りをしないで中塗りをすると、塗料が外壁にしみこんでしまい以下のようなことが起こります。
- ツブができる(気泡)
- 家の素材を痛める
- 色むら
下塗りは正常な塗膜を作るために欠かせない工程です。
6.中塗り・上塗り
中塗りと上塗りは仕上げ用の塗料を使いますが、役割は異なります。
中塗りは下塗りの色味を隠し、上塗りをムラなく塗るための工程です。
上塗りは、中塗りで生まれた塗りムラをなくすためと、厚みのある塗膜を作って
家の劣化を防ぐために行います。
中塗りと上塗りは合わせて2回塗るため、
下図の「中塗り+上塗り」が見積もり書に記載される金額です。
また、材料により単価が大きく異なります。
塗料 | 1平方メートルあたりの単価 | 中塗り+上塗りの総額 |
ウレタン | 1,800~2,000円 | 284,400~316,000円 |
シリコン | 2,500~3,500円 | 395,000~553,000円 |
フッ素 | 3,500~4,500円 | 553,000~711,000円 |
7.付帯部の塗装
付帯部とは、外壁と屋根以外の細部のことです。
ベランダの天井にある「軒天(のきてん)」や、屋根の雨を地面に流す「雨どい」が
イメージしやすいでしょう。
他にも「破風板(はふいた)」という屋根の側面部もあります。
ベランダの天井にある軒天は、湿気が上がってくることで劣化しやすく、
カビがはえて底が抜けてしまう危険性があります。
雨どいは劣化しにくい素材ですが、塗り直さないと汚れが目立つために美観維持の目的で塗装します。
破風板は屋根の内部に水が入るのを防ぐ役目なので、劣化させないために塗装が必要です。
付帯部は数か所あるので、全体を足した平均的な値段を紹介します。
材料 | 付帯部の総額(40坪) |
シリコン | 110,000円 |
フッ素 | 170,000円 |
「雨どい」のように劣化しにくい部分に関しては、ウレタン塗料を選択することで
性能を落とさずにコストを抑えられる場合もあります。
8.シーリング
シーリングとは、目地や隙間に施工するゴムみたいなやわらかい素材です。
シーリングを施工する部位には以下があります。
- 窓ガラスとサッシの枠のあいだ
- サイディングのつなぎ目
- 換気扇と外壁の結合部分
シーリング素材は防水性に優れているため、家の内部に水が回ることを防ぎ、
劣化を防止する役割があります。
他にも「家のショックを吸収する」という役目があります。
家は、動いたりきしんだりすることで壊れないようにバランスを保っているのです。
家がきしむ際にショックを吸収する場所がないと、壁が割れてしまうなどの問題が起こります。
シーリングは劣化が進むと硬くなってしまい効力がなくなってしまいますので、
7〜10年程度で補修が必要です。
シーリング施工の方法には「増し打ち」と「打ち換え」の2種類あります。
施工法 | 両者の違い | 特徴 |
増し打ち | 既存のシーリングを撤去しない | 防水性〇/耐久性×/衝撃× |
打ちかえ | 既存のシーリングを撤去する | 防水性〇/耐久性〇/衝撃〇 |
「増し打ち」は単価が抑えられますが、表面に薄く新しい層ができるだけです。
防水性は回復しても、層が薄いため自然による劣化が早く、家のきしみに対するショック
吸収率がほとんど変わりません。
「打ちかえ」の場合は、既存のシーリングを撤去するため劣化が回復し、
家のショック吸収率も向上します。
シーリング補修に必要な費用は以下のようになります。
施工法 | 1メートルあたりの単価 | 40坪の費用相場 |
増し打ち | 500~900円 | 50,000~90,000円 |
打ち換え | 700~1,200円 | 70,000~120,000円 |
上記は、40坪の家の工事でよくあるシーリングの施工距離「100m」で算出しています。
9.諸経費
通信費、ガソリン、人件費など施工以外にかかる必要経費のことです。
だいたい工事費用の5〜15%くらいが相場で、工事費が100万円なら諸経費を含めた
工事費用の総額は105~115万円ほどとなります。
≪一緒に読みたい記事≫外壁塗装の相場や見積もりの確認ポイント、補助金が出る場合も?
≪一緒に読みたい記事≫【安心】外壁塗装の見積もりでチェックする9の注意点と事例を解説
※工程についての詳細は「外壁塗装の工程は?塗装以外も重要」をご覧ください。
40坪の住宅における見積書の例
各工程の最低料金と最高料金、また塗料の材料ごとに見積書を作ると下記のイメージとなります。
工程 | ウレタンで塗装 | シリコンで塗装 | フッ素で塗装 |
足場仮設 | 142,200~173,800円 | 142,200~173,800円 | 142,200~173,800円 |
高圧洗浄 | 15,800~47,400円 | 15,800~47,400円 | 15,800~47,400円 |
下地調整 | 30,000~40,000円 | 30,000~40,000円 | 30,000~40,000円 |
塗装(下塗り) | 94,800~142,200円 | 94,800~142,200円 | 94,800~142,200円 |
ウレタン塗装(中塗り・上塗り) | 284,400~316,000円 | – | – |
シリコン塗装(中塗り・上塗り) | – | 395,000~553,000円 | – |
フッ素塗装(中塗り・上塗り) | – | – | 553,000~711,000円 |
塗装(付帯部) | 110,000~170,000円 | 110,000~170,000円 | 110,000~170,000円 |
シーリング | 50,000~120,000円 | 50,000~120,000円 | 50,000~120,000円 |
諸経費 | 41,360~151,410円 | 41,890~186,960円 | 49,790~210,660円 |
合計 | 768,560~1,160,810円 | 879,690~1,433,360円 | 1,045,590~1,615,060円 |
外壁塗装の費用が変動する4つの要素
40坪の一軒家で外壁塗装工事を施工する時の相場は、80~150万円と振れ幅があります。
料金が変わる要素として以下のことが考えられます。
- 塗料の種類
- 外壁の材質
- 下請け業者の有無
- 外壁の劣化状況
それぞれを具体的に説明していきましょう。
1.塗料の種類
塗料の種類によって費用は変動します。
塗料の種類 | 1平方メートルあたりの単価 | 耐久年数 |
ウレタン | 1,700~2,200円 | 8~10年 |
シリコン | 2,300~3,000円 | 10~15年 |
フッ素 | 3,800~4,800円 | 15~20年 |
他に「アクリル塗料」があるのですが、耐久年数が低いこともあり外壁塗装では
ほとんど使用していません。
それぞれの材料には以下のような特徴がありす。
ウレタン塗料の特徴
10年ほど前は主流の材料でした。
柔らかい素材なので傷がつきやすいですが、下地との密着性が高いです。
現在は付帯部で使われることが多いです。
シリコン塗料の特徴
現在もっとも人気がある材料です。
耐久年数とコストのバランスがよい特徴があります。
ただし、「単層弾性シリコン」という耐久年数が低い材料をすすめて利益を上げようとする
業者がいるので注意が必要です。
フッ素塗料の特徴
耐久年数が一番長いですが、コストがかかります。
フッ素塗料には以下の特徴があります。
- 汚れをはじく
- 汚れがすべりやすい
- 紫外線で劣化しづらい
フッ素塗料はメンテナンスの手間を省きたい人に最適でしょう。
オススメの塗料の選び方
基本的には「シリコン塗料」を選べば大きな問題はありません。
費用対効果が高く、種類も豊富だからです。
しかし、これからも住み続ける家なら、価格が高くても耐久年数を重視して
「フッ素塗料」がよいでしょう。
※塗料についての詳細は「外壁塗装で使われる塗料の種類や選び方について」をご覧ください。
次回は張り替え予定で塗装リフォームは最後になりそうだなと思うのなら、
耐久年数よりも安さ重視の「ウレタン塗料」が向いています。
2.外壁の材質
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家の外観が複雑だと、そのぶん作業が増えるため工数がかかります。
そうすると、職人の人件費や諸経費が上乗せされて料金が上がることもあるでしょう。
外壁素材には以下の種類があります。
- モルタル
- サイディング
- 漆喰
- ALC
- タイル
一軒家だとモルタルやサイディングが多いでしょう。
素材ごとに注意するべき劣化は以下となります。
材質 | 劣化の種類 |
モルタル | ヒビ、欠損 |
サイディング | ヒビ、欠損 |
ALC | ヒビ、欠損 |
漆喰 | 傷 |
タイル | 欠け、はがれ |
アルカリ性や酸性など材質の特徴が違うため補修する費用が変わります。
特に、モルタルやサイディング外壁は10年おきに塗装が必要なためメンテナンス費用が
かさみやすいです。
3.外壁の劣化状況
外壁が劣化しているほど、下地補修の手間が増えてしまいます。
劣化が激しいほど材料や人件費がかかるため、下地補修の費用が増えやすいです。
4.自社施工をする業者かどうか
下請け業者を使うゼネコン、ホームセンター、ハウスメーカーは、自社の利益だけではなく、
下請け業者の利益も計算して見積もりを出します。
このため、自社施工をしない会社だと仲介料がかかり工事費用が増えてしまいます。
逆に、自社で工事をしている専門会社に依頼すると、仲介料がなくなり費用が安くなります。
外壁塗装の工事費用を抑えるには自社施工をしている業者かどうかを見抜くことが重要です。
ホームページに職人の写真を掲載している企業ほど自社施工をしている可能性が高いです。
まとめ:自宅の外壁塗装の相場を知りたいなら無料見積もりを依頼!
外壁塗装といっても、塗装するだけではなく、たくさんの工程があります。
少しでも長持ちさせられるように、外壁塗装やメンテナンスはDIYではなく業者に頼むほうがよいでしょう。
評判の悪い会社を選んでしまうと仕上がりが悪かったり、見積もりが「一式」という言葉で施工内容を不透明にされて、料金を上乗せされたりすることもあります。
複数の会社から見積もりをもらい、必要以上に高いもしくは低い場合は注意が必要です。
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