2020.11.20

屋根塗装における塗料の種類と選び方のポイント

屋根塗装イメージ図

屋根塗装で使用する塗料には多くの種類があります。屋根は普段の生活では見ることはないため「どの塗料を選んでも違いはない」と思っている人も多いかもしれません。しかし、塗料は屋根材の耐用年数を左右する重要なものです。塗料の種類と選び方のポイントを紹介します。

※まずは屋根塗装の全体像について知りたい方は「屋根塗装の相場や工程を確認しよう」をご覧ください。

屋根の塗料の種類と特徴

代表的な4種の塗料の「耐用年数」「価格帯」「特徴」を紹介します。グレードが異なるのは、塗料を構成する素材(樹脂)によって性能が違ってくるためです。

グレード1 ウレタン樹脂系塗料

  • 耐用年数 8~10年
  • 価格帯 1,700~2,200円/平方メートル

特徴は以下のとおり。

  • 比較的安価
  • 柔軟で付着性が高い
  • 塗膜に光沢感がある

ウレタン塗料は汎用性が高く塗装する場所を選びません。ほかの塗料と比較すると耐久性が劣りますが、費用を抑えて塗装をしたい人には向いています。

グレードが低いので性能に問題があるのではないかと心配される人もいるかもしれませんが、次に紹介するシリコン塗料が登場するまでは主流の塗料でした。高性能の塗料が登場したため、結果としてグレードが下がってしまいましたが、価格に見合った耐久性はあります。耐用年数を確認し、その年数に満足できるなら検討してみましょう。

※詳しい内容は「ウレタン樹脂なら低コストで塗装できる!メリット・デメリット、向いている人を紹介」をご覧ください。 

グレード2 シリコン樹脂系塗料

  • 耐用年数 10~15年
  • 価格帯 2,300~3,500円/平方メートル

特徴は以下のとおり。

  • ウレタン塗料よりも耐久性がある
  • 防汚性や耐熱性がある
  • 価格と耐久性のバランスが良い

価格の割に耐久性が高く、いわゆるコストパフォーマンスの良い塗料です。しかし、やや弾性が低くひび割れしやすいです。また密着性が弱い傾向があることから、重ね塗りの際には相性のいい下塗り材を使用する必要があります。

シリコン塗料は種類が豊富なのも特徴です。さまざまな種類の塗料から好みに合うものを選べるのはメリットではありますが、同じシリコン塗料でも価格や性能に幅があります。性能に幅があるのは、シリコンの性能は塗料に含まれるシリコンの割合に左右されるためです。シリコン含有率が高い塗料の方がシリコン塗料のメリットがはっきりと出るため、シリコン含有率の低い塗料は価格帯が低く耐用年数も短いと考えてください。

種類の豊富なシリコン塗料を選ぶ際は、水性と油性の違いについても知っておくといいでしょう。水性と油性の違いは次の通りです。

  • 水性 水を混ぜて使用
  • 油性 シンナーを混ぜて使用

一般的に水性よりも油性の方が耐久性は高いとされています。しかし、油性塗料は塗装時にシンナーの刺激やにおいがありますし、水性塗料の方が環境に優しいでしょう。水性塗料のなかには油性塗料に近い耐久性のものもありますので、好みに応じて選択しましょう。

グレード3 フッ素樹脂系塗料

  • 耐用年数 15~20年
  • 価格帯 3,800~4,800円/平方メートル

特徴は以下のとおり。

  • シリコン塗料よりも耐久性があり色あせに強い
  • シリコン塗料よりも防汚性や耐熱性がある
  • 防カビ性や防藻性もある

価格帯は高いものの耐用年数が長く性能も高いです。特に耐熱性については、フライパンでもフッ素コーティングされたものがあるくらい性能が高いです。初期費用がかかっても将来のメンテナンス頻度を減らしたい人に向いています。

なお、屋根塗装と外壁塗装を同時に行うケースもある場合では、より環境が過酷な屋根の塗装をフッ素塗料で行い、外壁を下位グレードのシリコンで行うなど塗料を使い分ける方法もあります。

※詳しい内容は「フッ素樹脂塗装はここがすごい!特徴やメリット、ほかの塗料との違いを解説」をご覧ください。

グレード4 無機塗料

  • 耐用年数 20年以上
  • 価格帯 4,300~5,500円/平方メートル

特徴は以下のとおり。

  • 耐久性や耐熱性が高い
  • ベースとなる塗料によって性能が左右される

無機塗料の「無機」とは鉱物、レンガ、ガラスなどの無機物を指します。これらの無機物は高い耐久性や耐熱性を持ちます。レンガやガラスを屋外に置いても形状が崩れたり腐食したりしないことからも、無機物の耐久性の高さがわかるでしょう。

ただし、レンガやガラスがそのまま塗料になるわけではなく「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「フッ素」などの有機塗料に無機物を付加して「無機塗料」が作られます。簡単に言うと、有機塗料に無機物を混ぜ、もともとの塗料の耐久性を高めたのが「無機塗料」なのです。

無機塗料の性能はベースになる塗料の性能に左右されるため、塗料ごとに差が生じます。また、無機物の含有量によっても性能が変わります。なかには下位グレードと耐久性がさほど変わらない無機塗料もあるかもしれません。選ぶときは大手メーカーで販売実績がある無機塗料を選ぶと安心です。

特殊機能を持つ塗料もある

主に4つのグレードの耐用年数と価格帯を見てきましたが、このほかにも特殊な機能を持つ塗料がありますので、いくつか紹介します。

遮熱塗料

名前のとおり熱を遮る塗料で、建物の屋根や外壁に塗装することで室内温度の上昇を抑えます。省エネで家計に優しいだけでなく、ヒートアイランド現象の抑制も期待できます。ただし夏の暑さは緩和できますが、冬の寒さ対策にはなりません。遮熱塗料にはウレタンやシリコン、フッ素塗料などさまざまなグレードのものがありますが、塗膜の表面が汚れると熱を反射する機能が落ちるため、防汚性のある塗料を選ぶのがポイントです。

断熱塗料

熱の出入りを抑える塗料で、夏は熱が家に入り込むのを防いで暑さを緩和し、冬は熱を逃がしにくくして温かさを確保します。ただし、塗膜は断熱材のような厚みはないため、内装にも塗布する、塗料に遮熱機能と断熱機能を持たせるなどの方法で、より効果を発揮させるといった工夫が必要でしょう。

ラジカル塗料

正確には「ラジカル抑制塗料」といい、「ラジカル」の発生を抑制したり、閉じ込めたりする機能を持っています。ラジカルとは塗膜の劣化因子です。ラジカル抑制機能により塗料は高い耐久性を持ちます。

それぞれ特殊な機能だけに価格帯は一般的な塗料よりも高めですが、求めている機能に応じて検討していきましょう。

※詳しい内容は「ラジカル塗装はシリコン樹脂塗装と何が違う?特徴とメリット・デメリットを解説」をご覧ください。

屋根の塗料を選ぶ際のポイント

屋根の塗料はグレードや機能などがいろいろあります。たくさんあるなかからたったひとつの塗料を選ぶのは難しいかもしれません。迷ったときは、「耐用年数」で考えましょう。まずは「どのくらいの期間、耐久性が欲しいのか?」を明確にして選びます。

特殊機能が気になるときは予算を確認しながら検討してください。また、「暑い」「汚れやすい環境」など地域の特性も鑑みて選択していきましょう。

「汚れにくい塗料が欲しいが予算的に高グレードの塗料は難しい」といった場合は、ツヤありの塗料を選びます。というのも、同じグレードの塗料でもツヤありの方が防汚性は高いからです。予算内でニーズに合った塗料を選ぶためには、専門家に相談することをおすすめします。経験豊富な塗装業者なら良いアドバイスをしてくれることでしょう。

屋根の塗料には下塗り塗料と上塗り塗料の2種類がある

屋根の塗装は通常「下塗り」「中塗り」「上塗り」の合計3回行います。塗料は下塗りで使用する「下塗り塗料」と中塗りと上塗りで使用する「上塗り塗料」の2種類です。この2つの塗料について紹介します。

屋根塗装の下塗り塗料とは

下塗り塗料は、上塗り塗料と屋根との密着性や付着を良くする塗料のことで、プライマーやシーラーと呼ばれます。下塗りは屋根材の劣化による塗料の吸い込みを防止する効果があり、下塗りによって上塗り塗料の性能や機能もより向上します。

下塗り塗料は屋根に色をつけるためのものではありませんが、下塗りを丁寧に行うことで屋根塗装のムラも抑えられます。下塗りによって完成時の機能性と美しさが増すと言えるでしょう。

劣化が激しい場合は下塗り塗料を2回塗ることもあります。というのも、塗装が剥がれて劣化が進んだ屋根材は水を吸い込みやすいからです。このような状態ですと塗料も吸い込みやすいために下塗りを2回行うわけです。

屋根塗装の上塗り塗料とは

上塗り塗料が、屋根塗装において多くの人がイメージする塗料でしょう。先に紹介したさまざまな塗料もすべて上塗り塗料のことです。中塗り、上塗りと2回塗装を行う理由は以下のとおり。

  • 塗りムラを防止し美しく塗装する
  • 塗膜に厚みを持たせて性能や機能を向上させる

単に回数を重ねるだけでなく正しく塗装することも重要です。先に塗った塗料が乾く前に次の塗りを重ねてしまうと、塗料本来が持つ性能や機能を発揮しにくくなってしまいます。天候によってはその日に2回塗ることもできますが、基本的には1日1回の塗装です。

屋根塗料を選ぶときは耐用年数も確認しよう

屋根塗料は屋根を守り長持ちさせるものです。そのため屋根塗料と屋根の耐用年数は深い関係にあります。価格に目がいきがちですが、耐用年数と性能にも着目して目的に合った屋根塗料を選びましょう。

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