こんにちは、成竹です。
前回は、玄関扉の種類や機能についてお話ししましたが、
今回は、玄関の内側である、ホールや収納についてお話しします。
まず、玄関ホールをどんなデザインやカラーにするか、考えてみましょう。
敷地面積が充分あり玄関も広々とれる場合は、どんなカラーを選んでも問題ありません。
しかし、あなたが「少しでも玄関を広く見せたい」と思うのでしたら、
玄関の床をいちばん暗い色にして、壁の下部をそれより少し明るい色、
さらに壁の上部をもっと明るい色、そして天井をいちばん明るい色にしましょう。
つまり、下から上に向かって、徐々に明るい色にしていくのです。
玄関全体に安定感が生まれ、さらに上が明るいので解放感も感じます。
例えば、茶色とか、クリーム色とか、テーマカラーを決めて、
そのグラデーションで下から上に明るくすれば、品良くまとまるでしょう。
壁紙や天井にテクスチャー(凹凸のある織り模様)がある場合、
デザイン性があっておしゃれなムードになりますが、
あまりはっきりしたものだと影が生まれて、重たい雰囲気になります。
ですから、すべてをテクスチャー素材でおおってしまうのではなく、
足元や壁の一部などに配し、天井はフラットなものにすれば
圧迫感なく広い印象の玄関になります。
天井には照明を付けますが、この位置が扉に近すぎると、
入ってきた人の顔が影になり(逆光状態)、家人からよく見えなくなります。
また、来客は自分の影でこれから上がる部分が暗くて、段差が見えにくいなんてことも。
玄関にまぶしすぎる明かりは必要ありませんので、
温かみのあるほどよい照明が、玄関全体に広がるように取り付けます。
ちなみに、玄関外の照明に、人感センサー機能を備えたものを設置すれば、
暗くなって帰ってきても足元を照らすことができて便利です。
日本の玄関は、靴を脱いで上がる場所ですから、かならず段差があります。
転倒などを防ぐために、手すりがあると安全です。
でも、「うちにはお年寄りがいないから手すりなんていらない」と言うかもしれません。
しかし気をつけてみると、若い人でも(とくに子どもは)無意識に手をついたり
さわったりしている場所が決まっているのです。
「一部分だけ薄汚れている」という場合は、そこが「みんなの手をつく場所」なのです。
女性がブーツを履いたり脱いだりするときや、男性が靴べらを使う瞬間や
子どもがあがりかまちに上がるとき、ちょっとした手すりがあると便利で安全です。
使い勝手とデザインを考えると、縦型のものを付けるといいでしょう。
そして、靴を脱ぐということは、その靴をしまう場所も必要ですね。
靴以外にも、傘やゴルフ用品、子どもの外遊びオモチャや三輪車、スポーツ用品、
愛犬の散歩グッズ、非常持ち出し袋など、玄関に置きたい物はいろいろあります。
これらを上手にしまうためには、持ち物の種類や数に応じて収納棚を設置することです。
また、雨でぬれた上着をかけるフックがあると便利です。
収納棚を腰の高さにすれば、その上が花や絵などの飾りスペースになります。
荷物が多い場合は、収納棚を壁一面に作ってクローゼットのようにして、
壁にニッチ(小物などを飾るくぼみ)を作るとおしゃれです。
いずれの場合も、収納棚と扉・壁・天井をトータルでコーディネイトすると
すっきりした玄関になります。