病院を塗装する時期や費用、適した塗料の条件を解説

 

建物の塗装は、施設の第一印象を決める重要なものです。

外壁や室内の塗り替え工事をおこなうと新規のお客さんが増えるというケースは多くあります。

 

しかし、病院の塗装工事についての情報は少ないのが現状です。

この記事では塗料の選び方や注意点など、病院塗装について詳しく解説していきます。

 

病院の塗装工事には個人住宅や飲食店とは異なる、工事をおこなう上での注意点がいくつも存在します。

 

工事の前にあらかじめ知識を付けておくことによって、より良い塗装工事をおこないましょう。

 

病院を塗装するメリットとデメリット

 

病院を塗装するメリットとデメリットについて紹介します。

メリットとデメリットをきちんと意識しながら、工事の計画を建てていきましょう。

 

病院を塗装するメリット

病院を塗装する3つのメリットについて紹介します。

 

  • 外観がキレイになる
  • 建物の劣化を抑えられる
  • 衛生環境の悪化を防げる

 

それぞれについて詳しく解説します。

 

外観がキレイになる

外観が綺麗になると集客につながります。

古びた外観だと歴史を感じることはできますが、新規や若い患者さんの足は遠のいてしまいがちです。

 

また、大きな道路に面している病院の外観は、広告そのものになるともいえます。

綺麗で清潔感のある外観を保つことによって、広告効果を高く保つ事が可能です。

 

建物の劣化を抑えられる

建物表面の塗料は雨風にさらされる事で劣化します。

劣化した塗料は防水機能が落ちるため、雨漏りの原因にもなりかねません。

 

雨漏りにつながってしまうと、大掛かりな補修工事が必要になってしまいます。

補修工事となれば、本来必要なかったはずのコストがかかってしまいます。

 

そのため塗装により建物の劣化を防ぐということは、

長い目でみると建物維持の経費削減に繋がるのです。

 

衛生環境の悪化を防げる

塗装が古くなるとヒビが入り、剥がれをおこしてしまいます。

また、塗装の剥がれによりホコリが舞いやすくなるといった衛生環境の悪化が考えられます。

 

見栄えはよくありませんし、細かいホコリは患者さんにとって悪影響です。

そのため病院では塗装工事を定期的におこなうなどのメンテナンスをおこない、

院内の環境を清潔に保つ必要があるのです。

 

病院を塗装するデメリット

病院の塗装工事にはメリットが多くありますが、その反面デメリットも存在します。

代表的な問題としては「工事費用」と「工事中の運営」があげられます。

それぞれについて詳しく解説します。

 

費用がかかる

病院は個人住宅よりも建物が大きいため、塗装面積が多くなります。

また、メンテナンスの回数を減らすために長持ちする高品質の塗料を使用する

必要があるため塗料の金額も上がります。

 

その結果、工事に多額の費用がかかってしまうのです。

あらかじめ工事時期を考え資金の準備をしておく必要があります。

 

病院の運営に影響が出る

塗装工事の作業中には、窓を開ける事ができない場合や換気扇の仕様が禁止されることがあります。

 

また、塗装作業中は塗料の臭いや、小さなゴミやチリが院内に入ってくることも考えられます。

 

そのため、患者さんの健康状態や室内の衛生状態に影響が出る可能性も考慮しなければなりません。

 

内装の塗装をする場合には作業中の部屋の使用が禁止されます。

そうなると、そもそも病院の運営自体をストップする恐れもあります。

 

病院の施設や運営形態にもよりますが、工事中に運営が可能かどうかついては,

業者との話し合いが必要です。

 

病院を塗装する場合の費用の目安

病院を塗装する場合の費用の目安を紹介します。

塗装工事の費用は建物の構造や窓の数などに左右されますので、

あくまでも目安の金額としてお考え下さい。

 

塗装工事をおこなう場合は複数の業者から見積もりをとって、

個々の病院に適正な工事金額を見極めるのがおすすめです。

 

外壁塗装の相場

病院の外壁塗装の価格は8,500~9,000円/平方メートルです。

小規模な30坪の1階建ての建物だと50~60万円になります。

中規模な60坪の2階建ての病院だと200~240万円になります。

 

外壁の塗装は、窓の数や大きさに影響されますので、

塗装面積は病院によって異なるので注意しましょう。

 

また、1階部分が駐車場などであれば塗装面積は少なくなるので工事費は安くなります。

屋上の防水塗装を同時に検討するのであればさらに工事費用は高くなります。

 

内壁塗装の相場

病院の内壁塗装の価格は1,000~1,300円/平方メートルです。

診察室などの比較的狭い部屋は(6畳)だと4~6万円になります。

待合室などの比較的広い部屋は(20畳)では12~16万円になります。

 

室内の塗装は、部屋数や仕切り数、吹き抜けの有無により塗装面積が変わりますので注意しましょう。

そのため内部塗装工事に適切な金額は病院の間取りによって異なります。

 

病院の塗装をする場合に注意するポイント

 

病院の塗装をする場合に注意しなければならないポイントを3つ紹介します。

 

  • アレルギーといった健康への配慮
  • メンテナンス頻度は低く
  • 塗装工事中に建物が利用できるかどうか

 

それぞれについて詳しく解説します。

 

アレルギーといった健康への配慮

使用する塗料により患者さんがアレルギーを発症してしまうというリスクに注意しましょう。

いわゆるシックハウス症候群です。

 

住宅建材から発生するホルムアルデヒドなどの化学物質により、アレルギー症状や頭痛などを起こす人がいます。

 

最近では日本でもシックハウス症候群に関心のある人が増えています。

それにより、塗料メーカーもシックハウス症候群に対応した商品の開発を進めており、商品も多数存在します。

 

塗装工事をおこなう業者に相談し、健康リスクの低い塗料のカタログを入手して成分を確認しましょう。

 

このように病院に仕様する塗料を選ぶ際には、シックハウス症候群に対応した安全な塗料を選ぶ事が必要です。

 

メンテナンス頻度は低く

代表的な塗料としてよく知られているものは4種類あります。

 

  • アクリル塗料
  • ウレタン塗料
  • シリコン塗料
  • フッ素塗料

 

中でも安価な塗料として代表的なのはアクリル系の塗料です。

安価な塗料を使用すれば、塗料の代がかからないので工事費を抑えることができます。

 

しかし、アクリル塗料は耐用年数が5~7年と低いという特徴もあります。

このように安価な塗料はその価格に応じて対応年数が短いのです。

 

一方、高級な塗料として知られているフッ素系の塗料の耐用年数は15~20年といわれています。

 

その分、安価なアクリル系に比べて2~3倍の価格になりますが次回の塗り替えまでの期間が長いです。

 

病院では安易に工事を繰り返すことが難しいため、メンテナンス頻度の低い高品質の塗料を選ぶ事がオススメです。

 

塗装工事中に建物が利用できるかどうか

塗装工事の際には、建物の利用が制限されることになります。

外壁工事の際は、足場の設置により窓の開閉や換気が制限されます。

また、内装の塗装工事の際には塗装作業中の部屋は仕様することができなくなってしまいます。

 

そのため入院施設のある場合や部屋数の少ない場合は塗装工事に対応した運営が難しいといえます。

 

休業可能な業種であれば、どの時期に工事をおこなうかを計画的に決めておく必要があります。

 

事前に業者とよく打ち合わせをし、建物の利用がどの程度制限されるかどうか確認しておきましょう。

 

病院を塗り替えする最適な時期とは

 

塗り替えに適した次期を判断する材料として以下のようなものがあります。

 

  • 年数で判断する
  • 塗装の劣化状況で判断する
  • 工事中でも運営可能かどうかで判断する

 

それぞれについて詳しく解説していきます。

 

年数で判断する

一般的に新しく建物を建ててから10~15年たつ頃が、塗装の塗り替え目安です。

しかし、10年ほどですべての塗装がダメになるというわけではありません。

日がよく当たる壁面や、雨水が通る部位は、塗装が劣化しやすいため注意が必要です。

 

まだ大丈夫だと思って長年放置しておくと、気付いた時には建物本体が傷んでいたという事もあります。

 

そのため10~15年経った建物は、老朽具合を確認し始める目安の時期だと考えて下さい。

また、15年ほど経つと建物の内部の水回りや床なども古くなってきます。

この時期を目安に壁の塗り替えや内装のリフォームなどを考える人は多いです。

 

塗装の劣化状況で判断する

耐用年数に関係なく、建物の置かれている環境によって塗料の寿命には違いが生まれます。

塗装を自分の目で確認する、又は手で触るなどしてチェックをおこないましょう。

 

代表的な劣化のサインとして「チョーキング」という症状があります。

壁の塗料を指でさわるとチョークのような粉が手に付着する現象です。

 

チョーキングの起こした塗料は、防水性が悪く雨水を吸収するのでカビや苔の原因にもなります。

また、塗料の劣化のサインとしてもう1つ「クラック」というものがあります。

クラックとは壁のひび割れの事です。

 

原因は塗料の劣化や壁面の収縮、地震や道路の振動などがあります。

幅が1mmを超えるクラックの場合は雨水の侵入によって外壁が劣化する恐れがあります。

そのため壁面にクラックが発生している場合には、クラックの大きさに注意して観察してみましょう。

 

塗料の耐用年数をあてにしすぎないで、劣化状況の確認は自分の目で定期的におこないましょう。

 

工事中でも運営可能かどうかで判断する

工事中でも運営可能かどうかを業者と話し合い、判断することも必要です。

 

もし塗装工事などのメンテナンスが不可能な病院なら、将来的に建てかえを考えなければいけません。

大きな問題ですので、早めの検討が必要です。

 

また、塗装工事中に運営が可能であったとしても影響は最小限に抑えたいと考える人は多いでしょう。

閑散期に工事を予定するなど工事開始時期の調整も必要になります。

 

病院の塗り替えで業者や塗料に求める要素

 

病院塗装に適しているのは水性塗料で高耐久の「フッ素塗料」です。

塗料に求めるべき品質の特徴や、施工時に業者に注意してもらわなければならない事をまとめました。

 

  • 人体への影響
  • 抗菌・抗ウイルス
  • 防藻・防カビ
  • 消臭
  • 空気清浄
  • メンテナンス頻度が少ない

 

それぞれについて詳しく説明します。

 

人体への影響

病院という場所を考えると、使用する塗料はVOC対策がされているものを選ぶようにしましょう。

VOCとは揮発性有機化合物 のことです。

塗料の中に入っている「トルエン」や「キシレン」、「ホルムアルデヒド」などのことを指します。

 

VOCはシックハウス症候群を引き起こす恐れがあり、特に室内用の塗料は人体に大きく影響します。

 

また、塗料には水性と溶剤系(油性)のものと2種類あります。

溶剤系(油性)のものはシンナーを使うため臭いも強く、VOC対策に最適の塗料とは言えません。

そのため病院に使用する塗料は水性のものがオススメです。

 

抗菌・抗ウイルス

塗料にはウイルスの働きを不活性化させる機能をもった商品があります。

代表的なものとしては、「光触媒」や消石灰の成分を使った塗料です。

 

光媒体とは、太陽光や室内の可視光により細菌を不活性化させる材料です。

また消石灰の成分を使った塗料は、古来より日本で使われている漆喰の性質を利用したものになります。

 

アルカリ性の強い消石灰を原料としているため、ウイルスの働きを抑える事が可能です。

このように塗料メーカーにより抗菌・抗ウイルスの仕組みは違います。

塗料を選ぶ際には塗料の抗菌効果について十分納得した上で決めるようにしましょう。

 

防藻・防カビ

塗料には防カビ剤や防腐剤が添加してあるものが存在します。

防藻・防カビ塗料を選ぶことにより、副鼻腔炎やアレルギーなどの健康被害を防ぐことができます。

 

防カビ剤や防腐剤と聞くと体に悪いイメージを持つかもしれませんが、

近年では天然成分由来のものがほとんどです。

 

また、古い病院や低層階にある病院は湿度が高くなるので特に注意が必要です。

日光にあたらない壁面はカビの生えやすい傾向にあるので、

塗装工事の前にカビの生えやすい部分をチェックしておきましょう。

 

消臭

病院に使用する塗料は消臭効果のあるものを選びましょう。

病院や福祉施設など人が集まる所では、臭いこもって問題になることがあります。

防カビや殺菌を徹底していても、嫌な臭いがしてしまうと清潔な印象は台無しです。

 

防臭効果のある塗料の表面からは遠赤外線が放射されており、

その遠赤外線が空気中の水粒子を細かく砕きます。

細かくなった水粒子はマイナスの電気を帯びることでマイナスイオンとなります。

 

このマイナスイオンは浮遊している汚濁・臭い物質のプラスイオンと結合し、

浮遊できないように作用するのです。

 

このような仕組みにより、防臭効果のある塗料は嫌な臭いが空気中に漂うことを防いでくれます。

 

空気清浄

ほとんどの病院では空気清浄機が設置されています。

空気の清浄は病院に欠かせないことです。

 

しかし機械の清浄機では狭い限られた空間しか効果を発揮することができません。

空気清浄機能のある塗料を選べば、

塗装の施された廊下や広い待合室などでも十分に効果を発揮します。

 

塗料の空気清浄機能は「光触媒」の仕組みを採用しています。

光触媒は、光(紫外線)が当たることによって、「防汚」「消臭」「抗菌」の効果を発揮する材料です。

 

光触媒効果を発揮する材料としては、酸化チタンが使われているのが一般的です。

紫外線が酸化チタンに当たると、塗料の表面に活性酸素が発生します。

発生した活性酸素は大気汚染物質である窒素化合物を酸化させて空中から除去します。

 

そのため日光を当てたり電気をつけたりするたびに、塗料効果で空気がクリーニングされるのです。

チタンそのものは錆びず劣化に強いため、光さえあればずっと有害物質を分解し続けます。

光媒体は、経過年数とともに高いコストパフォーマンスが期待できる仕組みです。

 

メンテナンス頻度が少ない

今回おすすめしているフッ素塗料は耐用年数が15年~20年です。

これは、他の塗料に比べ対応年数が長いという特徴があります。

 

そのぶん塗料単価は上がり工事費用は高くなってしまいますが、

安価で耐用年数が短い塗料は病院に向いていません。

一般住宅や借家など、長く住む予定が無い場合には安価で耐用年数が短い塗料でも十分です。

 

しかし、病院の塗装ではメンテナンスのたびに病院の運営に影響が出るため、

できるだけ長持ちする塗料を選ぶ必要があります。

塗装にかかる工事代金よりも、長期でのランニングコストを重視しましょう。

 

まとめ:病院を塗装は高耐久で人体への影響が少ない塗料を選ぼう

 

病院に使用する塗料は人体への影響を考えたものでなければいけません。

 

日本では健康志向が高まるなか、各塗料メーカーも人体に優しい商品をこぞって開発しています。

ウイルスやカビの発生を抑え、空気を清潔に保ってくれる塗料を選びましょう。

 

また、病院に使用するのであれば耐用年数の長い高級塗料がおすすめです。

壁面積も広いため工事費は高額になりますが、後のメンテナンス頻度を考えると

安価な塗料は不向きと言えます。

 

もう1つ注意すべき点としては、病院の運営と工事のバランスを考え工事の段取りを

業者とよく話し合うことです。

患者さんやスタッフの事を考え、最小限の影響で塗装工事をおこないましょう。

 

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