今日は、キッチンリフォームについてお話しさせて頂きます。
奥様が一日のうちで多くの作業を行う場所は、おそらくキッチンではないでしょうか。
そのキッチンが使いにくいと、調理がはかどらなかったり、
棚から物が出しづらかったりして、ストレスを感じてしまいますね。
そこで今回は、キッチンを使いやすくする工夫をお話しします。
キッチンの三角形
まず、キッチンという空間を考えるときに、基本となる三角形があります。
それは、「冷蔵庫」と「シンク」と「調理場」を結んだ
【ワークトライアングル】です。
料理の得意な方ならすぐにピンと来ると思いますが、キッチン作業の代表的な流れは、
冷蔵庫から物を取り出して、シンクで洗い、
調理(切ったり加熱したり)する、という順番です。
もちろん、調理の途中で冷蔵庫に行って調味料などを
取り出したり、調理で使った道具をシンクで洗ったりと、
いろいろな作業が交錯します。
だから、この3か所がどこも同じくらい近ければ、使いやすいキッチンになります。
扉について
さらに、冷蔵庫や棚などは【扉の開く向き】も重要です。
せっかく冷蔵庫がシンクや調理場の近くにあるのに、
扉が遠い側(作業する位置の反対側)に開くのでは、わざわざ回り込まなくてはいけません。
これでは、作業がはかどらないし、物が取り出しにくいですよね。
作業の中心になる場所の左側に冷蔵庫を置くのなら右開きのものを、
右側に置くのなら左開きのものを買いましょう。
さらに、扉の向きやキッチンのレイアウトは【利き腕】とも関係します。
標準的なシステムキッチンのレイアウトは、右利きを前提に作られています。
右利きの人は一般的に、作業が「左から右へ」進みます。
(例えば、左側のシンクで洗った野菜を、右側の調理台にのせて包丁で切り、その右側のコンロで加熱する、という流れ)
ですから、もしも奥様が左利きなら、この反対の(右から左へ作業を行う)配置にすると使いやすいでしょう。
現在利き手に関係なく開けられる物も多く発売されていMす。
高さも個人に合わせて設置する
身体的な個人差でいうと、【身長の高さ】も大きく関係します。
シンクで洗い物をしたり、包丁で食材を切ったりするとき、
低すぎると腰をかがめなくてはいけないし、高すぎると腕が使いにくくなります。
毎日のことですから、高さの合わないキッチンで作業を続けるとやりにくいだけでなく、
腰を痛めたり包丁でケガをしたりと健康にもよくありません。
いままで国内メーカーのキッチンの高さは、80㎝を標準にしていました。
適切なキッチンの高さは「身長÷2+5㎝」といわれています。
例えば、奥様の身長が160㎝だとしたら、160÷2+5=85㎝です。
最近のシステムキッチンは2.5㎝~5㎝きざみで高さを調整できるので、
あなたにあった最適なものを選びましょう。
できれば、ショールームなどで実際にキッチンの前に立ってみて、
背筋を真っすぐにして包丁が使えそうか試すといいです。
さて、キッチンは調理しやすければすべて良い……というわけではありません。
例えば、冷蔵庫がキッチンのいちばん奥にあると、家族が飲み物や食べ物を取りに来たとき
料理中の人をかわしながら歩くことになり、家族も大変だし奥様にとっても邪魔ですよね。
ですから、家族みんなが使う【冷蔵庫はダイニングに近い場所】に配置した方がいいでしょう。
また、キッチンで作業中、訪問者の対応のために玄関に行ったり、
夕飯の洗い物の間にお風呂の用意をしたり、子どもに呼ばれて各部屋に行ったりと
「家事をしながら」の移動が多いですよね。
こんなときに、キッチンが部屋の隅にあったり、出入り口が一つしかなかったりすると
なかなかはかどらなくてストレスに感じてしまいます。
キッチンはできれば、【何か所か(少なくとも反対側へも)通路】があると
移動が楽になります。洗濯機や風呂場など奥様がよく使う場所へ行きやすくすると、
動線がコンパクトになって家事もやりやすいでしょう。
もしもリフォームの機会に間取りが変えられるなら、思いきってキッチンを
家の中心的なところや、使用頻度の高い部屋の近くにすると
奥様も家族も、みんなで楽しく使える場所になるでしょう。