「倉庫の耐用年数を知りたい」
「倉庫の耐用年数や減価償却は?」
「メンテンナンス方法ってどんな方法があるの?」
こういった疑問を持ってはいませんか。
この記事では、倉庫の耐用年数や減価償却について、メンテンナンス方法などを紹介します。
具体的には以下の内容を解説します。
- 倉庫の耐用年数
- 倉庫のメンテナンス方法と費用相場
- 減価償却の際の倉庫の法定耐用年数
倉庫のメンテナンスを考えている場合に最適な内容の記事となっています。
なお、はじめて外壁や屋根の塗装を検討している方は「初めての外壁塗装・屋根塗装をご検討の方へ」もご覧ください。
倉庫の耐用年数とメンテナンス方法、費用相場
倉庫の耐用年数は15〜40年程度です。
材質や構造によって年数は変わりますが、10〜15年に1度は点検をしたほうがよいでしょう。
倉庫の耐用年数は15〜40年程度
倉庫の耐用年数の目安は、テント倉庫で15〜20年、金属製なら30〜40年が目安です。
耐用年数を超えた場合は建て直しや全面補修を考えましょう。
ただ、金属製の倉庫でも10年もすれば劣化が進むため、10年程度に1度は全体的な点検を依頼したほうが安心できます。
耐用年数は年数よりも劣化状況で判断
倉庫のメンテナンス時期は、耐用年数よりも劣化状況で判断すると確実です。
30年もつ金属製の倉庫だとしても、台風や強風による飛来物で破損していたり、錆びていたりするおそれがあります。
外から見て倉庫全体に錆びが見つかった場合は塗り替え工事を検討しましょう。
メンテナンスは10〜15年
倉庫のメンテナンスは10〜15年に1度は必要です。
メンテナンスの方法としては、全面的な塗装のほか、部材の交換などがあります。
塗装のメンテナンスにかかる費用は1平方メートルあたり5,000円〜1万円程度です。
部材の交換だと1平方メートルあたり1〜3万円はかかるでしょう。
塗装で対処できるのは表面の劣化のみです。
錆びや破損による劣化が激しい場合は塗装では対処できず、部材の交換が必要となります。
倉庫の塗装・部材の交換以外のメンテナンス方法
テントと金属倉庫の塗装、部材交換以外のメンテナンス方法を解説します。
ここまで、倉庫のメンテナンスには塗装や部材交換が行われることを紹介しましたが、他にも、
・部分張り替え
・建て替え
・カバー工法や葺き替え
などのメンテナンス方法もあります。
部分張り替え
台風や突風によって飛んできた物が屋根材や外壁材に当たり割れてしまった場合は、部分的な張り替え工事が可能です。
また、テント倉庫の場合も紫外線や経年劣化で生地が傷んだり、妻や庇の部分だけ破けてしまったりすることがあります。
そのケースでも、部分的に張り替える方法が使えます。
建て替え
倉庫自体の老朽化、外壁材や屋根材の耐用年数が過ぎてしまった場合は、建て替えを検討しましょう。
老朽化した倉庫は壊れやすく、台風や地震などの自然災害があったときに、劣化症状が進行したり、倒壊したりします。
倉庫が建ってから何年経ったのか、外壁材や屋根材の耐用年数は何年なのかということを知っておきましょう。
カバー工法
倉庫や工場に使われることが多い屋根材は、金属製のものや波型のスレート材です。
塗装でメンテナンスできますが、それでも傷みが改善されない場合は、カバー工法(既存の屋根材の上に新たなものを被せる屋根工事の方法)でリフォームできます。
カバー工法を行うメリットは、工期が短く、工場を稼働しながらでも工事できること、遮音性、断熱性がアップすることなどが挙げられます。
重ねて葺く工法なので、重たくならないよう、新しい屋根材は軽量なガルバリウム鋼板を用いることが多いです。
症状の程度によっては、葺き替えも可能です。
しかし、波型スレートの中にはアスベストが含まれているものも残っているため、安全や工事の手間を考慮すると、カバー工法での施工がベストでしょう。
倉庫のメンテナンスを行うサイン
倉庫のメンテナンスを行うべき劣化症状には、
・サビ
・塗膜の膨れ
・塗膜の剥がれ
・ひび割れ
などがあります。
なぜそのような症状が起こるのか、どのようなメンテナンスができるのかを紹介します。
サビ
骨組みの鉄骨部分や金属製の外壁材の場合、雨風にさらされるとサビを起こす可能性があります。
鉄に付着した水分や、鉄の酸化が原因です。
メンテナンス方法としては、ブラシや洗剤を使って擦るだけでも効果があります。
しかし、サビてから時間が経っていると落としにくいかもしれません。
そのときは、ケレン(表面のサビを落とす作業)を行い、サビ止めを塗り、上塗り材を使って仕上げます。
塗膜の膨れ
塗膜の膨れは、塗膜内に水分が侵入したり、塗装したときの乾燥時間が短かったりすること、塗料の色や品質などが影響して起こります。
塗装時にしっかりと乾燥させるための時間を取ること、明るい色の塗料を選ぶこと、弾性塗料は避けることが対策になります。
放置すると膨れがどんどんと大きくなるので、早い段階で業者にメンテナンスしてもらいましょう。
塗膜の剥がれ
塗膜が剥がれてしまうのは、下地処理や下塗りの段階でうまく施工できていないことが理由として挙げられます。
下地を均していなかったり、下地材の選択や塗り方、下塗り自体を省いたりすることが原因です。
また、塗料の乾燥不足も原因になり得ます。
剥がれを見つけた場合は、できるだけ早く業者に依頼し塗り直しをしてもらうようにしましょう。
ひび割れ
外壁のひび割れは、元々の施工不良や車、電車などの振動が原因で起こります。
塗装面の問題であれば塗装でメンテナンスできますが、幅0.3mm以上のひび割れには要注意です。
0.3mm以上になると、そこから雨水が染み込み、雨漏りや躯体の劣化などに拍車をかけることになります。
このケースでは、クラック部分を削り、シーリングで補修する必要があります。
倉庫を定期的にメンテナンスするメリット
倉庫はメンテナンスをしっかりと行うことで、それを所有する企業のメリットになります。
ここでは、
・企業価値・資産価値の向上
・耐用年数が伸びる
・事故や不具合を未然に防げる
・労働環境が改善される
といったメリットについて紹介します。
企業価値・資産価値が高まる
汚れが目立ったり、機能性に難があったりする倉庫は、所有する企業の価値や評判を下げます。
倉庫でも工場でも、汚いよりきれいなほうがよい印象を受けるはずです。
しっかりとしたメンテナンスを行うことで、近隣や取引先に与える印象がよくなるでしょう。
また、築年数が長い倉庫でも、機能性と見た目が維持されていれば資産としての価値をあげることにつながります。
賃料を高く設定でき、高値を付けて売ることができるのです。
メンテナンスには費用や手間がかかりますが、それだけの価値があるといえるでしょう。
寿命が延びる
定期的にしっかりとメンテナンスし、防水や遮熱などの機能性をアップさせれば、倉庫の寿命を延ばすことができます。
結果として、改修工事の手間や費用がかかりません。
建物が新しいうちはいいですが、古くなってくるとさまざまな箇所に綻びが生じてくるものです。
その間にメンテナンスを怠ると、その症状がよりひどくなり、全体的な腐敗や倒壊につながります。
メンテナンスにも費用はかかりますが、建て替えに比べれば抑えた金額で施工できるため結果的にお得といえるでしょう。
不具合を未然に防ぐことができる
倉庫が古くなってくると心配なのが、建物の機能性の不具合です。
もし、機械や商品などをしまっておく倉庫が雨漏りしていたら、大事な物品が使い物にならなくなる可能性があります。
こうした不具合を見つけるため、それによる事故を防ぐためにも、定期的なメンテナンスは欠かせません。
労働環境が改善される
定期的なメンテナンスは、従業員の労働環境の改善にもつながります。
メンテナンスを怠り、屋根に穴が開いて雨水が入ってくる、遮熱性が下がって夏の日は倉庫内が暑くてたまらないということになれば、倉庫内での作業中の怪我や事故につながりかねません。
危険な職場と安全な職場なら、皆さんはどちらで働きたいでしょうか。
従業員が働きやすいと思える職場にするためにも、倉庫の定期メンテナンスは欠かさないようにしましょう。
倉庫のメンテナンスを依頼したい業者の特徴
一般的な住居とは異なり、手間や費用がかかる倉庫のメンテナンスは、どのような業者に依頼するといいのでしょうか?
倉庫のメンテナンスを依頼したい業者の特徴には、
1.倉庫のメンテナンス経験や実績が豊富
2.見積もり内容が詳しい
3.自社施工してくれる
の3つがあります。
それぞれの内容を詳しく解説するので、倉庫のメンテナンスを検討している人は業者選びの参考にしてみてください。
1.倉庫のメンテナンス経験・実績が豊富
倉庫のメンテナンス経験が豊富な業者に依頼しましょう。
倉庫は一般的な住宅に比べると大きいため、やり方や段取りが異なります。
また、経験や実績が豊富であれば、仕上がりのクオリティも期待できるでしょう。
業者の主な経験や実績は、ホームページに掲載されていることが多いです。
なかには、写真付きで施工事例を紹介している優良業者も多くあります。
業者がどのような工事を得意としているのか知りたい場合は、まずはホームページをチェックしてみてください。
2.見積書の内容が詳しい
どこの業者に依頼したいのかだいたいの目星がついたら、見積書の作成を依頼します。
業者を選ぶとき、その内容もチェックしてみてください。
業者の中には、内訳を省略して書いている場合があります。
見積書を見慣れない人もいるかもしれませんが、優良業者の場合、どのような塗料をどのくらい使うのか、どのような工事をしてそれにいくらかかるのかなど、詳しく記載します。
インターネット上には、お手本になるような見積書の例が公開されていますので、調べたうえで見積書を確認してみましょう。
また、複数の業者に見積もりをとって見比べる「相見積もり」という方法も効果的です。
3.自社で施工してくれる
倉庫のメンテナンスや建て替えは、自社で施工できる業者に依頼しましょう。
自社で施工せず外注したり、自社に職人が在籍していなかったりする業者の場合、中間マージンが発生し、適正価格にならないケースが一般的です。
外注自体は違法ではありませんし、行う業者も多くいます。
しかし、どうせなら適正価格で工事してもらいたいというのが本音ではないでしょうか。
自社施工なのか、職人が在籍しているのかなどについては、実績と同じくホームページに記載されていることが多いので確認してみてください。
減価償却の際の倉庫の法定耐用年数は?
以下では、減価償却における倉庫の法定耐用年数を紹介します。
減価償却や法定耐用年数についても解説しますので、倉庫を所有する場合は確認しておきましょう。
減価償却とは?
減価償却とは、固定資産の価値が減少するのを複数年にわけて計上する会計処理方法のことです。
建物の工事のうち、「修繕」ではなく「資産の価値を向上させる工事」だと判断されると減価償却が必要となります。
資産の価値を向上させる工事とは、大雑把に言えば、屋根を遮熱塗料に変える、外壁の断熱性を高めるといった、やらなくても問題のない工事のことです。
法定耐用年数とは?
減価償却をする際に自由に償却年数を決められるわけではありません。
償却する年数は国税庁によって厳格に定められています。
この償却年数が、法定耐用年数と呼ばれるものです。
実際の建物の耐用年数とは違うため、法定耐用年数を基準にメンテナンスやリフォームをすると工事時期を間違えてしまい、予想以上に劣化している倉庫を補修するために出費が増えるでしょう。
倉庫の法定耐用年数
倉庫の法定耐用年数は、建築材によって異なります。
建築材ごとの倉庫の耐用年数は以下を参考にしてみてください。
- 鉄骨鉄筋コンクリート造:38年
- 鉄筋コンクリート造:38年
- れんが造:34年
- 石造:34年
- ブロック造:34年
- 金属造:17〜31年
- 木造・合成樹脂造:15年
- 木骨モルタル造:14年
上記はあくまで一例です。
詳しくは国税庁の法定耐用年数ページをチェックしてください。
まとめ:金属製の倉庫は10〜15年で塗装メンテナンスが必要!
一般的に利用される倉庫は金属製が多いと考えられます。
金属製倉庫の耐用年数は30〜40年程度ですが、
10〜15年おきに塗装メンテナンスをしなければ錆びて雨漏りなどが起こります。
適切な時期にメンテナンスをしなければ劣化が進んでしまい、補修に余計な費用がかかるでしょう。
長期的にメンテナンス費用を節約するために、10年に1度は塗装メンテナンスをするようにしましょう。
倉庫や工場の塗装費用を知りたい場合は、
「倉庫塗装や工場塗装の費用相場や経費削減策、注意点、事例を紹介」で詳しく解説しています。
参考にしてみてください。